アフターケア事業の現状に関する調査結果報告会を開催しました。

2024年8月30日(金)に、アフターケア事業の現状に関する調査結果報告会をオンラインで開催しました。

報告会では、全国の社会的養護自立支援拠点事業(以下、拠点事業)の実施状況、地域の社会資源の現状把握、アフターケア実施団体へのヒアリング結果、アフターケア事業対象者の推計結果について、えんじゅ会員及び拠点事業実施団体のみなさんに共有しました。

 

【開催概要】

– 日時:2024年8月30日(金)11:30-13:00  

– 形式:Zoomによるオンライン開催  

– 参加者:アフターケア事業関係者、社会的養護自立支援拠点事業実施者など60名

 

【スピーカー】

えんじゅ事務局:今井峻介(調査担当)

 

【概要】

1.全国の拠点事業の実施状況について

全国の都道府県担当課へのヒアリング結果をもとに、各都道府県での拠点事業の実施状況が詳しく報告されました。多くの地域で拠点事業が実施されている一方で、特定の地域では予算や人材不足により事業実施への課題が残っていることが示されました。

 

2.拠点事業の予算についての考え方  

こども家庭庁の関係者からのヒアリング結果をもとに、拠点事業に対する予算の考え方や今後の方向性について報告が行われました。国が用意している財源をどうしたら各都道府県で活用できるかが議論されました。

 

3.地域の社会資源の現状について

アフターケア事業に関わる社会資源がマップ化され、その内容が報告されました。都道府県別に人口や虐待相談件数などの基礎データが集約され、これらのデータをもとに、各地域の社会資源の分布や支援の現状が可視化されました。

 

4.アフターケア事業実施団体へのヒアリング結果  

えんじゅ会員30団体へのヒアリング結果が、以下の5つの視点で整理され、報告されました:

 

– A:えんじゅ会員の中にどんな団体がいるのか、どこに違いがあり、どこに共通点があるのか  

– B:アフターケア事業として、誰にどんな活動をしているのか  

– C:拠点事業の現状と課題は何か?  

– D:地域の中でどのように事業を実施しているか  

– E:えんじゅに対する会員のフィードバック  

 

5.アフターケア事業者の対象者数推計について  

最後に、事務局による対象者数の推計結果が発表されました。全国の支援対象者数の推計を出すことで、今後の支援ニーズやリソース配分の必要性が議論されました。この推計は、アフターケア事業の計画立案において重要な指標となることが確認されました。

 

【参加者の感想やフィードバック】

終了後に実施したアンケートでは、8割の方に「満足している」と回答していただきました(回答者数23名、回答率38%)。また、参加者からは以下のような声も頂きました。

 

障害福祉から社会的養護の分野に転職し、日頃モヤモヤしていた全体像が、少し具体的に見えてきてありがたく感じ、良かったです。支援の根拠が見えず、現状分析の進捗具合もよくわからず、不安でした。ありがとうございました。

 

それぞれの団体の共通点、相違点を見やすく、分かりやすく調査結果をまとめていただきありがとうございました。

 

ありがとうございました。調査、まとめ大変なご苦労と思いました。格差とよく言われますが具体的事実がわかり、様々なことを語る際に重要な基礎データとなると思いました。また、最後の暗数を利用した数推計も大変興味深かったです。

 

予算のことや他の実施団体の状況など、自団体だけではわからない情報が得られることは大変助かります。

 

こども家庭庁に一団体では聞けないこと、全国的な視野で本事業を見渡すことができ、たいへん参考になりました。

 

社会的養護等の退所後支援については、施設や里親さん、社会資源の実態、そして児童相談所と自治体が人口や財政規模によって地域性が様々であることを理由に「地域性がある」と一言で
終わらせていました。しかし、今回、今井さんが各団体の課題やえんじゅへの要望等が整理され課題や方向性が明確になりました。このため、加盟団体も課題解決に向けてそれそれ具体的に
行動するための指針となったと思います。

 

【問い合わせ先】  

次回の報告会に関する情報や、本報告会の資料の詳細を希望される方は、問い合わせフォームからご連絡ください。

 

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